なぜ、残業が減らないのか。一時的に仕事が膨大に増えて、残業を余儀なくされるということはあるでしょうし、それは仕方のないことです。しかし、慢性的に残業が続いているて、もう長いこと早く仕事を切り上げたことがない。ましてや、周りの人はみな早く帰っているのに、自分だけが常に残業続きであるという状況があれば、それはやはりおかしいと言えます。
どんな業種や職種であれ、残業が減らない理由は一つしかありません。それは「残業ができるから」です。ふざけていると思われるかもしれませんが、これが真実です。やろうと思えば残業ができていしまうから、仕事量が増えた時に残業で対応しようと、無意識のうちに覚悟をしてしまい、実際にその通りになるのです。
パーキンソン法則というものがあります。「仕事の量は、完成のために与えられた時間をすべて満たすまで膨張する」という法則で、要するに仕事のボリュームは自分の時間のキャパシティ目一杯になるまで膨れ上がるということです。
絶対に残業ができない人は、そういう発想になりません。小さい子どもを抱えている方は、保育園に迎えにいかねばなりませんし、親の介護をしている方は帰宅しないと、食事を出したり、お風呂に入れたりできないわけです。残業なんてしている場合じゃない。もっと大事なものがある。だから早く帰るのです。
しかし、やろうと思えば残業ができてしまう人は、仕事が膨大になった時に、残業で対処しようとしがちです。なぜなら、残業で対応した方が楽だからです。時間内に仕事をおさめようとするのは大変です。計画的に仕事を進める必要があるし、上司や同僚、顧客、取引先と絶えず交渉をしなければならなりません。早く帰るのは大変で面倒くさいのです。残業して、自分でやってしまった方が楽だから、つい残業してしまうのです。