ある自然風景の素晴らしさを伝えたく、その特徴を次ように文字で表現したとします。
・晴れわたる青い空のもとに連なる山脈
・山の上部には雪景色が残り、中腹には自然豊かな森が広がっている
・麓では木々が囲むようにして砂浜が広がり、そこに透き通るような水面の浅瀬が広がっている
どのような情景を思い浮かべましたでしょうか。これまであなたが見聞きしたものを総動員して、情景を思い描いたことと思いますが、その認識が必ずしも私のイメージと合致しているとは限りません。というよりも、イメージがズレていると考えた方が自然です。仮に情景の描写について、さらに詳細な情報をより多く伝えたとしても、文字で伝えている限りイメージを完全に合致させるのは不可能に近いと言えるでしょう。
しかし、この情景を次のように写真で示したらどうでしょうか。ほぼ同じイメージを共有できると思います。これが文字とビジュアルの情報量の圧倒的な違いです。
私たちは日頃、何かの問題解決、企画、発想などにあたって、通常は文字で情報を集めることが多いです。何かを調べようと思ったら、本を読んだり、インターネットの記事を読んだりします。しかし、文字は読むのに時間がかかります。すわなち収集した情報の処理に時間がかかるのです。収集した情報をイメージとして再構築するのに時間がかかる上、そのイメージもかなり抽象度が高くて、細部に行き渡るまでイメージするのは困難です。上述の通り、他人に伝えるのも一苦労です。
そもそも、人間の脳は細部を組み上げて全体像を把握するようにはできていません。仮に文字情報から、山や森、空を部分的に思い描いたとしても、位置関係を含めた全体像を描くのは非常に難しいです。まず全体像を捉えて、そこから細部を理解するアプローチの方が適しています。まずは大まかなイメージを捉えて、そこから細部を描いていく。これが脳の使い方として自然な流れなのです。
そして、このアプローチを文字だけで行うのにはかなり高度な概念形成力が求められます。であれば、はじめからビジュアル情報を取り扱った方が手取り早いと言えます。